マインドセットとは? 初心者にもわかりやすく解説!
マインドセットの意味
マインドセットとは、「こころのあり方」のことです。
もう少し具体的にいうと、人間(自分)の能力(資質・才能など)について、どのようなスタンス・信念をとっているか、ということです。
マインドセットの種類
マインドセット研究の第一人者で、スタンフォード大学の心理学部のキャロル・S・ドゥエック教授によると、マインドセットは、
と、
の2つのタイプに分けられるとしています。
マインドセットで有名な実験
こどもたちに、初めにかなりやさしい問題を解かせた後、難しい問題を与え、子どもたちが、どんな心理状態でどのようにパズルを解いていくかを探った実験があります。
そこでは、難しい問題や失敗につきあたったとき、どのようなマインドセットで望むかということを調べました。
成長マインドセットをもつこどもたちは、難しいパズルを出された場合、「ぼく、なかなかとけない問題って、だいすき!」 と、汗ばむほどパズルに夢中になっていました。
一方で、固定マインドセットをもつ子どもたちは、難しいパズルには、まったく興味を示さなくなり、「もうやったからいい」と噓をつく子も現れました。
つまり、固定マインドセットの子どもたちは、失敗に直面したとき挑戦をやめるのに対して、成長マインドセットの子どもたちは、積極的に挑戦する姿勢をみせたのです。
このように、性格ではなく、
硬直マインドセット
か
成長マインドセット
かによって、人間の行動に大きな違いがでるのが、マインドセットの面白いところです。
硬直マインドセットとは
硬直マインドセットとは、人間の能力は、生まれつき決まっており、後天的に伸ばせるものではないという信念を持っている状態です。
硬直マインドセットをもつ人々にとって最も重要なこのは、「自分の能力の証明」です。
硬直マインドセットの人々は、自分の能力は生まれつき決まっていると考えています。そのため、自分はいかに生まれつき優れているかを示すことが、成功の定義なのです。
こうした硬直マインドセットをもつ人々は、失敗(=自分の能力が証明できなかった)したとき、「自分は無能だ」「自分にはなんの価値もない」ととらえます。
そのため、失敗を重ねると、硬直マインドセットを持つ人々は挑戦をしなくなります。自分の能力がないということが証明されてしまうことを恐れているからです。
硬直マインドセットの大きな特徴
硬直マインドセットには、一番大きくて一番やっかいな特徴があります。
それは、「努力をしない」ということです。
硬直マインドセットは、人間の能力は生まれつきだと思っているため、「努力を必要とする=自分の能力が低い」と無意識に考えています。
そのため、コツコツと努力するということは、自分の無能さと向き合う行為であるため、努力をすることを徹底的に嫌います。
また、もうひとつの努力をしない理由として、「努力をしたうえで失敗してしまったら本当に目も当てられない」と考えているからです。
努力を必要とする時点で、自分は優秀ではないのに、努力したうえで失敗してしまっては、さらに自分の無能を証明してしまうことになります。
硬直マインドセットの人は、こうした思考や信念、観念にとりつかれているため、努力をしない傾向にあります。
成長マインドセットとは
成長マインドセットとは、人間の能力は、自分の努力次第で伸ばすことができるという信念を持っている状態です。
成長マインドセットを持つ人々にとって重視なことは、「自分の成長」にあります。
自分の能力は努力次第で伸ばすことができると考えているため、自分が成長することが、成功の定義です。
成長マインドセットを持つ人々は、失敗したとき、それを成長の機会(チャンス)ととらえます。
より正確にいうと、何かに挑戦してそれがうまくいかなかったとしても、それは成長マインドセットの人々にとっては、「失敗」にはなりません。成長マインドセットの人々にとっての失敗とは、「自分が成長できなかったとき」です。
成長マインドセットの大きな特徴
成長マインドセットの最大の特徴は、「全力で努力すること」を積極的にしていくこと、努力そのものを楽しめることです。
成長マインドセットの人は、自分の能力は努力次第で伸ばすことができると信じているため、努力をすることの大切さと必要性を知っています。
また、失敗と成功を、「物事がうまくいくかいかないか」ではなく、「自分が成長できたかできないか」でとらえています。
成長マインドセットの人にとっての失敗とは、何も学ばないこと、何も成長しないことであり、成功とは何かを学べたこと、成長したことです。
マインドセットは変えられるか
キャロル・S・ドゥエック教授は、マインドセットは自分の意志で変えることができると言っています。
固定マインドセットと成長マインドセットの違いについて学ぶことで、今までとは違った考え方や反応ができるようになります。
教授の研究によると、たとえば、
「能力は伸ばすことができます。この問題にチャレンジすれば頭が良くなります」
と教えたり、
「しなやかマインドセットの偉力を伝える科学記事」
を読ませたりすると、固定マインドセットから成長マインドセットの考え方をするようになり、少なくともしばらくの間は、成長マインドセットの人と同じ行動を取るようになったりするそうです。
つまり、マインドセットは変えることができるのです。
しかし、この点、キャロル・S・ドゥエック教授は、以下のようにものべています。
「変わる」といっても、外科手術を受けたように変わるわけではない。たしかに変化は起きていても、摩耗した膝や腰の関節を新しいものと取り替えるように、古い信念がすぐに一掃されるわけではない。古い信念がまだ残っているところに、新しい信念が芽生え、それがだんだんと強くなるにつれて、今までとは違った考え方や感じ方、ふるまい方ができるようになるのである。
『マインドセット「やればできるの研究」より』
つまり、劇的に変化が起こるのではなく、少しずつ少しずつ変化が起き、成長マインドセットになっていくということです。
マインドセットを変える方法の例
脳は科学的にも鍛えることができることを学ぶ
脳は、科学的に、
使えば使うほど性能がアップする
新しいことを学ぶと脳が成長して頭が良くなっていく
ということが証明されている、ということを認識することで、マインドセットに変化が起きることが、キャロル・S・ドゥエック教授の実験によって示されています。
自分が憧れる人や尊敬する人が硬直マインドセットか成長マインドセットかを考える
自分が憧れる人や尊敬する人を思い浮かべ、その人は、ほとんど努力せずに、何でもできてしまう、驚異的な能力の持ち主だと思っているかを考える方法です。
実際その人は努力をしていたのか? その業績の陰にとてつもない努力があったのではないか? と思考することを通して、自分が憧れる人が、素晴らしい功績や成功をおさめているのは、生まれつきの才能 ではなく、成長マインドセットだったからではないか? と気付きを得ることが、成長マインドセットにつながります。
もっと成長マインドセットに変える方法を知りたい人へのおすすめ本
マインドセット研究の第一人者である、キャロル・S・ドゥエック教授の本です。
・マインドセットについての理解をもっと深め、いままでの自分を見つめ直したい
・努力した方がよいと頭ではわかっているのに、したいと心から思えなくてそれがまた苦しい
などの悩みを抱えている人は、マインドセットについて学ぶと楽になるかもしれません。
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