【アスペとりあえず必読】『アスペルガーとして楽しく生きる』を読んだ感想をアスペルガーが語る

私の読書リスト

どうも。ぜろです。

私、実は先日アスペルガー症候群の診断を医者から貰いまして。

「あー、私が苦しんでいた原因はアスペルガーだったからなのかー」と妙に納得した反面、まだあまり実感できない感じもあります。

まぁそんななかで、とりあえずアスペルガーについて学んでみるかーと手に取ったのが『アスペルガーとして楽しく生きる』です。

 

結論からいうと、まあ読んでためになるところはあったけど、無駄なところも多かったなというのが正直な感想です。

この本は、主にヒーラーとかいう謎の職業である執筆者の発達障害成長記とヒーラーとして治療をした患者の治療記です。アスペルガーについて体系的に解説した本ではありません。

無駄だなぁと思ったところ

無駄だなぁと思ったところは、執筆者の体験部分で、主にスピリチュアルな内容の部分です。

「気がどうこう」とか、「自分は手をかざせば治療できる」とか、「宇宙が~」とか怪しい記述満載です。

ちょっと引用してみます↓

僕が持っていた変わった能力のうち、手かざしによるヒーリングは二歳のころからできていたようです。家族の誰かがけがをした、お腹が痛いといったとき、僕はトコトコと寄っていき、患部に手を当てます。そうすると痛みがおさまるのだそうです。

この時点で、私としては萎えました。
そんなスピリチュアルな話が知りたくて、この本読んでいるんじゃないよ、と。

とはいえ、執筆者の人生を語る上では語らなければならなかったのでしょうけど。。。

とにかくスピリチュアルパートのせいで胡散臭すぎて、萎えました。(最後まで読んだけどね)

こういう話題って、人選びますよね。私はちょっと無理でしたので、ここらへんはさらーっと流し読みしてました。

とはいえ、この本がまったく無駄だったというわけではありません。

次はこの本で個人的にためになったところを紹介していきます。

 

ためになったところ

①アスペルガー症候群は、心の問題ではなく脳の機能的な問題だ

アスペルガーというのは、発達障害の一種です。発達障害は脳の機能障害によって起こる症状で、病気とは違い、基本的に完治することはないと言われています。

今までよく言われてきたんですよね。

なんで我慢できないんだ

なんで人の気持ちがわからないんだ

なんで普通の人ができることができないんだ

とか。

で、これらの言葉とセットで言われたのが、「それはお前が今まで努力を怠ってきたからだ」というお言葉。

この言葉を私にあびせたやつらがテレビ見ているときに、

【速報】私が他とおかしいのは私の努力不足じゃないことが判明

という速報をお届けしたい。

おーい、お前らみてるかーーー

私の努力不足じゃなくて、脳の機能的な問題らしいぞーーー

検討違いなお言葉よくも投げかけてくれたなww
それで私の自尊心がどれほど傷ついたかwまじぶっ○す(まぁ私もそんな言葉を言わせるくらい迷惑かけたんだろうけど笑)

ともかく、私の努力不足のせいじゃないことがわかってよかったです。(同時に治らないことも決定的になったけど)

②鬱になりやすいのもアスペのせい

発達障害は、この基礎代謝、糖代謝に深刻な異常が生じることが引き金となって発症します。代謝に異常が生じると、脳の器質障害にスイッチが入って、アスペルガー特有の症状が出るというわけです。

基礎代謝が落ちて血流が低下すると、前頭葉が機能不全を起こします。すると、管理しきれなくなった扁桃核が暴走して、大きなストレスを感じるようになるのです。  この状態が慢性的に続くと、情緒の安定を促すセロトニンという物質の分泌が低下します。さらに、やる気や積極性、対人コミュニケーションに関係するドーパミンの分泌も下がります。こうなると、人はしだいに 鬱 になっていきます。

どうやら、鬱になりやすいのもアスペの特徴らしい。
ついでに、情緒不安定なのも。

私が苦しんでいた二大要因の「死にたい消えたい自殺したい」と「感情が抑えられない」っていうのもアスペのせいw

脳の機能的に、そうなる傾向にあるんだってさ。

もう私の苦しみはアスペルガー由来すぎて笑えてきます。

が、自分が悪いのではなく、脳の機能的な問題だったのだと判明して少し気が楽になりました。

だって、今までは自分が悪くてどうしようもない人間なんだと思っていたから。
私の意志が弱いからいけないんだ、と。

でも、これも違った。

おーいみんなーー再び速報だよーー
全部アスペルガー症候群のせいだったよ!
私悪くないよー( ;∀;)

アスペルガーの長所

これまではアスペルガーの短所的な特徴についての発見を取り上げてきました。

しかし、アスペルガー症候群は短所となるだけではなくて、長所となる場合もあるのだと、執筆者はいいます。

別にこの言葉に勇気付けられた!!
といいたいわけではないのですが、ひとつアスペルガーについて自分なりの答えが出せたところがあります。

それは、
「バカとハサミは使いよう」だということ。

アインシュタインしかり、歴史的に成功をおさめたアスペルガーたちは、「ハサミ」だったんたと思います。

自分のアスペルガーとしての能力・特性をうまく利用していたのだと思います。(意識的にか無意識的にかはわかりませんが)

アスペルガー症候群=アインシュタインと一緒ね!=天才!!!と安易な思考をするわけではありません。

現実問題、天才のアスペルガーよりも、人並み以下で苦しんでいるアスペルガーのほうが圧倒的に多いからです。
アスペルガー症候群は生きづらいという事実に間違いはありません。

事実『アスペルガーとして楽しく生きる』には、「治療された患者たちの社会適応能力が-10から-4になった」という事例ばかりです。

ただ、私が言いたかったのは、自分の能力・特性を把握して、活かす道もアスペルガーにはあるんだということ。

アスペルガーは生きづらいだけの障害ではなく、バカとハサミは使いようというように、うまく利用することも出来るんだということを学びました。

そこが一番の収穫です。

ではアスペルガーの長所となりえるところってどこなのか??

断片的にではありますが、この本に紹介されています。

少し引用してみます。

①アスペルガーは組み合わせが得意

アスペルガーは何もないところからまったく新しいアイデアを生み出すことは苦手です。すでにあるアイデアや技術を組み合わせて、今までとは違う新しいものを生み出すことは、とても得意です。

アスペルガーは、物事を組み合わせることが得意なのだそうです。

これって現代社会において、メチャクチャ強みになる気がします。

だって、現代社会において、新しい概念なんて存在しないんじゃないの??

我々が新しく思い付く言葉やサービスなんて、すでに昔の人が本のなかで述べてたり、どっかの誰かがすでに実現化してたりしません??

つまり、アイデアがたくさんある現代において、ゼロからイチを生み出す必要性なんてほとんどないんじゃない??って思うんです。

そうであれば、アスペルガー症候群がやることなんて簡単です。それは、ひたすら知識・技術をインプットしておくこと。

インプットが多ければ多いほど、多彩な組み合わせができるようになります。

アスペルガーが目指す方向性がわかりました。

②わからないことがあったら納得行くまで調べて論理を構築できる

アスペルガーは、知識を収集する過程で自分の抱えている問題を解決したら、その解決法をたちまち論理的に構築します。

アスペルガーは、わからないこと・不安定なものに直面したときはパニックを起こしたり、思考停止してしまうそうです。

でも、たとえその場ではぱにくってしまっても、あとでわからないことを調べて知識として吸収してしまえば、もう二度とそのことでパニクることはなくなります。

だって、最初はわからなかったある物事に対して、「論理」を発見できたから。

とにかく、アスペルガーは自分のなかに「わからない」をなくすことが大切なんだと思いました。わかってれば、パニクらないわけですから。

そして、幸いにもアスペルガーは自分で論理を構築し、解決へ導くこともできます。

あれ??アスペルガーって対応さえわかればけっこう強いんじゃない???

まとめ

最初はなんだスピリチュアルな話しかよと萎え萎えだったのですが、読み進むなかでアスペルガー症候群の特性を知り、いろいろと発見もできました。

ので、総合的には読んでよかったな~と思いました。

読み返すことはないけど笑
キンドル・アンリミテッドで、安く読めて良かったです。

とはいえ、アスペルガーとしてどう生きればいいのか悩んでいる人には、すごく良い発見があると思います。
私もこの本を通して、自分がどうすればいいのか少し見えてきました。

私と同じように、アスペルガー症候群の診断を貰ったけど、どうすればいいんだろう???って人はとりあえず一読の価値ありです。(一回でいいと思うけど笑)