『Learn Better』は良書だけど、翻訳があまりにも悪すぎて読みづらいので自分用に要約してまとめた【感想+書評も少しだけ】

私の読書リスト

『Learn Better ― 頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』を読みました。

藤井聡太(将棋の天才)・ウォーレン・バフェット(投資の神様)などなど。「天才」と呼ばれ、凡人から頭がとびぬける人々は、いかに学習するのかーー。その本質を学べる良書で、読んでよかったと心から思ったのです。。。

が・・・

「翻訳があまりにも読みづらい&事例が多くて読むの大変」でした!!!怒

この本の編集者は何をやっていたのでしょうか? これでは、せっかくの良書が、もったいないですよ(読破に3か月かかりました・・・)。

『Learn Better』にお金を払ったこと&読んだことに、後悔は一ミリもないのですが、正直もう一度読むのは、マジ勘弁って感じなので、もう一度読まなくていいように、自分用に要約してまとめてみました。

目次

『Learn Better』に書かれている「効果的な学習法」を学ぶために知っておきたい前提知識

「学習の究極の目的」とは?

〇ある事実や概念についての「思考法・考え方」を学び、自分の脳を変化させること
×ある事実や概念などの知識を知ること

例:ミクロ経済学を学ぶ場合
〇ミクロ経済学者の「思考法・考え方」を学ぶ
×ミクロ経済学で使われる用語を覚える(用語を覚えることはただの学習の出発点なだけ)

→ある事実や概念を知ること(=生き字引となる)は学習の目的ではない。それらの知識を使って「思考できるようになること」(=新たな思考の枠組みの獲得)が、学習の究極の目標。

学習においてもっとも大切なことは?

脳を「活動」させること

良い例:人に説明してみる・学んだことを図表にまとめる など
ダメな例:蛍光ペンを引く・講義をただ聞くだけ など

→脳の記憶の仕組みとして、頭を「活動」させると学習効率が上がる。逆に、頭を活動させない学習方法は効率が悪い。

学習のあたって受け入れなければならないこと

「学習とは難しくて当たり前」であり、苦痛や困難を伴わないことはないということ

→何かを学ぶとき、壁にぶち当たることが必ずある。それを受け入れないと、壁にぶち当たったときに学習をやめてしまう。

『Learn Better』の全体像

『Learn Better』に書かれている「効果的な学習」のための6つのステップ

1.(学習することについて)価値を見いだす
2.目標を設定する
3.能力を伸ばす
4.発展させる
5.関係づける
6.再考する

以下これに基づいて、要約です。

1.(学習することについて)価値を見いだす

  • 自分が学習したいものを学ぶことに、どんな意味や価値があるのかを自分で見つける
  • 他人から意味・価値を言われるのは逆効果。「自分で見つける」ことがキモ

①学習したいものが、「自分の将来・趣味・今後の人生においてなぜ大切か」を紙に書く

②「ラーン・クラフティング(=学習したいものを自分と関連性の深いものにする技術)」を行う

●学習したいものは、私にとってどう価値があるか
●どうすればもっと自分い関連性を持たせられるのか
●この知識を自分の生活にどう利用できるか
を考える

②価値を見出したあとは「探索のマインドセット」を心掛ける

  • 価値を見出せても、学習には必ず苦痛が伴う(例:勉強しているのに成績が上がらない・なかなか理解できない など)ため、モチベーションの低下・ストレスの蓄積が”必ず”起こる
  • これを防ぐためには、常に、「探索のマインドセット(=自分にとっての価値を意識し、それを見つけることに重きをおくこと)」を心掛ける
  • 「成績が上がらない」「学習が進まない」ことに目を向けると、自己効力感が低下し、学習をやめてしまう

2.目標を設定する

  • 何を学びたいのかを厳密に見きわめて、目標を設定する。
  • 目標が必要な理由→人間の短期記憶の容量が限られているため。一度にたくさん詰め込むと容量オーバーで覚えられない。

①どんなスキルを習得すべきなのか・マスターすべき「基礎知識」はなにかをリサーチ

脳は新しい情報を以前からある情報と「束ねる」ことで記憶するようになっている。そのため、「基礎知識」が記憶されていると、新たに知識を加えるのが簡単になり学習効果があがる(=ナレッジエフェクト)。

例)FXをするにあたって、「レバレッジ」「pips」「ショート」「ロング」などの専門用語についてリサーチ

②自分にとって、少し難しいレベルで学べることを目標として設定する

学習が簡単すぎると→退屈で飽きる
学習が難しすぎると→挫折する

例)昨今のゲーム。ユーザーを確保するため、挫折しない範囲で、少しずつレベル(難易度)が上がっていく設計になっている。

③目標は、小さな目標を細かく設定する

目標が大きすぎると挫折するため、達成しやすい細かな目標から始めることが大切。

ダメな例)タンゴをマスターする
良い例)週一回タンゴのレッスンに参加する

3.能力を伸ばす ★インプットに重きを置く段階

  • 自分が学ぶものについて、どうやったら効率良く学べるか、パフォーマンスを向上できるかを考え、手段を講じる
  • やり方はいろいろあるが、大切なのは、「頭を働かせること」

①「基礎知識」を習得する

「基礎知識」があると、新たに知識を加えるのが簡単になり、学習効果があがる(=ナレッジエフェクト)。そのため、「基礎知識」の習得を一番初めに行うとよい。

②学習の対象領域に通底する論理の理解をめざす

例)あるテーマについて新しく学ぶ前に、そのテーマについて知っていることを書き出してみる。その後、あるテーマの事実情報どうしのつながりを理解する

③自分のパフォーマンスを記録し、モニタリングする

例)ミスの記録・成功率や失敗率の記録 など

④反復して変化をつけて学習する

「何度も」「何通りもの方法」で学習を繰り返す

だめな例)数学の確率の問題について、同じ問題を何問も解く
いい例)数学の確率の問題について、別の問題を何問も解く

⑤検索学習を行う

検索学習とは…自分に質問を出して、思い出せるか自己テストすること。思い出すという行為が大事。

例)事実情報を記したカードの束を作る。次に「実生活での例を挙げなさい」「この概念を図に描きなさい」などのお題を書いたカードの束を作る。一つめの束からカードを一枚取り、二つめの束からもう一枚カードを取って、お題を説明できるかテストする。

番外:学習を挫折させないためにすべきこと

①自分の情動を管理する

情動は短期記憶で使う領域を圧迫する。そのため、不安などの情動が頭を占めていると、学習が進まない。

②成長マインドセットを心掛ける

「失敗=自分に才能がないから・そもそも無能だから」という考え方をやめ、「失敗=乗り越えるべき課題が発生した」ととらえ、課題を解決のための策を考える。

4.発展させる ★アウトプットに重きを置く段階

  • この段階では、基本から踏み出して、知識を応用する
  • 個別の情報であるスキルや知識を、頭の中で体系化する段階

①要約(=ある概念を自分の言葉で言い換える)する

例:「この概念をどう言い換えできるか?」を考える

②自己説明をしてみる

例:「この概念を説明できるか?」、「このスキルを解説できるか?」、「自分の言葉で言えるか?」自分に問う
読書中なら・・「今読んだことには何が書いてあった?」、「どうつじつまが合うのか?」、「以前も出てきた概念だろうか?」自分に聞く

③「なぜ」を問う質問をする

例:「なぜ著者はこのように主張するのか?」、「なぜこれが大事なのか?」

④獲得した知識をつかって、推論をしてみる

例:腸内環境をよくすると、人間の性格にも影響するという事実を得た場合→「腸内環境がよい他人のう●こを移植すると、うつ病などが改善されるのではないか」と推論する

⑤模倣してみる

例:プログラミングのコードを模倣して書いてみる
※注意点:模倣の際は、根底の論理や意味を理解してまねることが大切。ただ、機械的にコピーしても効果はあまりない。

⑥図に書いてみる

例:本の中に出てきた概念について、関係をまとめてみる

⑦シミュレーション・ロールプレイ・イメージトレーニングをやって、体感してみる

例:野球のフォームを学ぶなら、本をみているだけではなく、そのとおりにバットを振ってみる
※ポイント:五感を使うこと。視覚だけよりも、五感を使ったほうが記憶に定着するため。

⑧人に教えてみる

他人に教えるとき、「この概念をどう説明するのがいちばんよいだろうか」「相手はこの概念をどのように理解するか」「伝えるべき最大の要点はなにか」を考えることで、知識のネットワークが形成されていく。
例:知恵袋に回答してみる

⑨問題を「引き伸ばし」たり、「圧縮し」たりしてみる

引き伸ばす=問題を抽象化すること
圧縮する=具体化すること

⑩「専門知識の領域は完成されている」と考えず、常に「発見」「探求」を目指す

学習とは単に情報を集めること、確固とした手順を確立することだという思い込みがあったら、情報を集めた段階・手順を確立した段階で成長が止まる。 しかし、どんな専門知識分野にも暫定的な概念、白黒つけられないこと、発見を待っている新しい領域があると考えることで、成長につなげられる。

例:最短距離だと思っていた経路がよりも、もっと早い経路があるかもしれないと考え、新しい通勤経路を試してみる。

5.関係づける ★アウトプットを高める段階

  • すべてがどう噛み合うかがわかるフェーズ
  • 個別の事実や手順だけを知るのではなく、その事実や手順が他の事実や手順とどう関わり合うかを学ぶ

①システム思考をしてみる

例:ある問題について、原因・類似点・相違点などを探して、ものごとの関係性を理解する
そうすることで、核にある概念や根本の論理についてよく理解できるようになり、表面的な事象に惑わされなくなる。

②自分が発見した深部の構造や法則を、自分の言葉で明確に定義してみる

例:バタフライエフェクト

③反復学習には変化をつけ、同じ方法を繰り返さない

例:アメリカの歴史を詳しく学ぶために、独立戦争、南北戦争、冷戦についての論文をそれぞれ二本ずつ読むとする。この場合は、独立戦争の論文、次に南北戦争の論文、そして冷戦の論文と読み、これをもう一巡するとよい。論文を混ぜれば、個々のテーマ同士のつながりに気づけるため。

④仮説思考をしてみる

自分に、「もし~だったら」という問いかけをする。
例:「もし自分が訓練兵団を卒業したら、どこの兵団を希望するか?」「もし自分が会社の社長だったら会社をどう変えるか?」

⑤コンセプトマップをつくってみる(専門知識を図にしてみる)

6.再考する:学習には間違いや過信がつきものだから、自分の知識を見直し、自分の理解を振り返って、自分の学習したことから学ぶ必要がある。

  • 自分が学んだものについて、見直す段階。

①過信をしてないか自分に問う

自分を過信していると、これ以上学ぶ必要性はないと感じ、学習をやめてしまう

②自分自身に学習についての問いかけをする

「自分が理解していること・できること」と「自分が理解していないこと・できないこと」を把握する習慣を身につけることが大切

例:「自分は何を学んだか?」「理解しづらかったのはどこか?「わからないと思えるのはどこか?」「自分の考え方は変わったか?」「次は何を学ぶ必要があるのか?」

おまけ:『Learn Better』の個人的な感想(興味ない方は読み飛ばしてください)

冒頭にも書きましたが、翻訳が悪いものの、『Learn Better』自体は本当に良書です。

私が『Learn Better』を読もうと思ったのは、「読書する割に、一向に自分が何かを学んで成長している実感」が全然持てなかったからです。一般的に、(小説などの娯楽の本を除いて)読書するということは、自分的には何かしら「知りたい・学びたい」という思いが無意識にあったからだと思うのですが、読破したところで一向に学んだ感じがせず・・・。これはいかんなと思い、「そもそも学ぶってどういうことなんだ?」というところから学ぶ必要性を感じました。そして、学習法の本を探す中でであったのが『Learn Better』です。なんでこれにしたの?といわれると、正直なんとなく・・・なのですが、結果的に、読んでよかったと心の底から感じました。

『Learn Better』は、まず、「そもそも学ぶとは一体なんなのか?」「どうしたら本当に学んだといえるのか?」「私たちが学ぶ究極の目的は何なのか?」といった、学ぶことへの問題提起から始まります。ここが他の学習本と大きく異なる点です。他の学習本は効率的な学習のためのテクニック本みたいなのが多いのですが、『Learn Better』は「学ぶことの意味」から入るのです。

もちろん、上記に要約したように、『Learn Better』にも、効率的な学習のためのテクニックはたくさん書かれています。しかし、『Learn Better』の最大の魅力は、「学ぶことの本質」について知れるところで、個人的には、この部分が『Learn Better』において、一番価値のある内容だと感じました。ここだけでも読む価値がありましたね・・。

  • 読書しても頭に入らなくて悩んでいる人
  • 勉強しているのに、一向に成長できない人

は、絶対『Learn Better』読んだほうがいいと思います。