【書評】『人生を思い通りに操る 片づけの心理法則』(メンタリストDaiGo)

私の読書リスト

こんにちは、ぜろです。

今回は『人生を思い通りに操る 片づけの心理法則』について感想やら要約やらを書こうと思います。

 

この本は、

家やらデスクやら汚すぎてイラつくけど、どう片付ければいいのかわからん!!!

って人向け。

どうきれいに収納するかという本ではなくて、いかに無駄なもの・ことを減らすか?に焦点をあてた本です。

私の場合、「もう着たくないけど、まだ着られる服」とか「人からもらったけど使わないもの」とか「いつ使うかわからない書類」とかで、ごちゃごちゃ。

普段からモノを持たないように気を付けてはいたのですが、どうしてもモノが溜まっていってしまう…。

そんな悩みを抱えて生きておりました。

片づけ本で有名なのは、近藤麻理恵(こんまり)さんの『人生がときめく片づけの魔法』ですが、片づけの基準を“ときめき”で判断するというのがどうも私にはキラキラしすぎていて、読む気になれず…。

一方で、メンタリストDaiGoさんの『人生を思い通りに操る 片づけの心理法則』は、「心理学」に基づいた片づけの仕方を紹介してくれる本。

物事を論理的に考える人は、『人生を思い通りに操る 片づけの心理法則』の方が読んでいて心理的納得を得やすいと思います。

★『人生を思い通りに操る 片づけの心理法則』は「片づけ」について“論理的に”学びたい人におすすめです。

はじめに:「何のために片づけをするのか?」について

「はじめに」がすごくよかったです。

要約すると、片づけとは「自分のリソースを目標に向かって集中できる環境をつくること」

何のために片づけをするのか?と言えば「迷う時間、モノを探す時間、管理する時間を減らして、そのぶん自分がやりたいことを実現できるようにする」ため。

もうなるほど!しか思わなかった。
振り返ると、片づけの大切さって子どもの頃から、ずーーーっと言われてきたと思うんです。

「ピーマン残しちゃ…」「いけませーーーーん」
「おパンツかぶっちゃ…」「いけませーーーーん」
「お片ししなくちゃ…」「いけませーーーーん」
「オラ今やろうと思ってたのに…」

なにかが変だなーーーー♪大人は変だなーーーーー♪

そう!大人は変だったんです!
なぜなら、「片づけをしろ!」とはいうものの、「なぜ片づけをするのか?」という部分については、一切説明してこなかったから!!大人って「足の踏み場がないから」とか「邪魔だから」とか言っておもちゃの領土は減らそうとするくせに、貰い物のタオルとか賞味期限切れの調味料とかやたらとため込むんですよね~ほんと。

「まずてめぇが片付けろや」

って思っている幼稚園児諸君も多いのではないでしょうか。

『人生を思い通りに操る 片づけの心理法則』では、はしがきなど、いたるところで、「何のために片づけをするのか?」を語ってくれます。「あ~そうか、片づけはそのためにするのか~」と心理的に納得しながら片づけのハウツーを学べるところが個人的に◎でした。

本編の内容

目次はこんな感じです。

はじめに 片づけの心理法則で「人生の大逆転」が起こる!
第1章 自由な時間が増える! 片づけの基本・3原則
第2章 心理的片づけで得られる 5つのメリット
第3章 迷わずに捨てる! モノが勝手に減っていく7つの質問
第4章 これで二度と散らからない! 毎日の片づけ習慣7
第5章 理想の部屋をつくる! エリア別・片づけの鉄則5
第6章 スケジュールの片づけ 時間を最大活用する7つのテクニック
第7章 迷わない人生を生き、人生を最大化する8週間プログラム
おわりに 何もない場所で感じ、考え、楽しむことの大切さ

(https://hon.gakken.jp/book/1340659900より)

目次をみてもわかる通り、各章では、心理学に基づく具体的なメソッドやテクニックを語っていくスタイルです。

すべて紹介すると、出版社から「コラ!何勝手にうちの本を無断転載してんねん!」と怒られかねないので、私が個人的に役立ったと思ったところを紹介するスタイルにします!

「ローコスト管理」の原則

これは、「第1章 自由な時間が増える! 片づけの基本・3原則」のうちのひとつです。

ローコスト管理の原則とは、「管理にかかるコストが高いモノ―― 整理に手間がかかったり、メンテナンスが面倒だったりするモノを減らすこと」です。

DaiGoさんいわく、「持っていることでお金や時間、感動といったリターンを生まないモノは捨てる」べきなのだとか。なぜなら、管理コストだけがかかるただの負債でしかないから。
ちなみに、片づけにおける固定費には、モノや金といった目に見えるものだけではなく、「時間」も含まれるとのこと。

で、管理コストがかかる典型的なのが、「服」だそうです。

確かに、「場所」だけではなく「時間」もコストだと考えると服ってものすごくコスパ悪いなって思いました。

「今日は何着るかな?」「そろそろ衣替えだな」「あれ?靴下かたっぽどこいった?」「あの服がない!!!」といった経験は、ほんとあるある。そのたびに、遅刻しそうになったりして、まさしく服によって、毎日多くの時間を奪われている(=ハイコスト)と思いました。

なので、この部分を読んだあと、すぐに服の断捨離を行いました。

結果、私の衣装ケースには「まだ着れるけど結局着ない服」が大量にありました。中には思い入れも強いものがあって「う~ん」と思いましたが、思い切って捨てました。その量は大きいゴミ袋一袋分。よくこんなにためこんだな~って感じです(写真撮ればよかった)

ちなみに、人間には、保有効果(「自分が一度所有したモノに、より高い価値を感じてしまうこと」)という心理があるそうです。

思い入れ・愛着があるなどと言うとかっこいいですが、要はただの保有効果なんですね。

「ああ、自分はいまこれを捨てたくないと思っているけどこれはただの保有効果なんだ」って思えたら、ものをバンバン捨てられるようになりました。

6割収納ルール

6割収納ルールはその名の通り、「スペースの6割しか使わないように収納するルール」のことです。

これも個人的に目から鱗でした。「10割入るなら10割いれなきゃ損だよね★」みたいに無意識に思っていたのですが、無駄なことにリソースを割かないためには「6割収納」が良いらしいです。

よく雑誌とかで「主婦の収納ワザ!」とかいって小さいスペースに、いかにモノを収納するかを特集したりしていますよね。この本を読む前は単純に「すごいなぁ」と思っていたのですが、読んだあとでは、「実写版みさえ乙wwwww」くらいにしか思わなくなりました。(ごめんなさい)

要は、片づけに対する“姿勢”の違いなんですよね。

主婦の片づけ=いかにモノを収納するか
DaiGoの片づけ=いかに必要なものだけにするか

私は、どちらの姿勢がよいかと聞かれたらやはり「いかに必要なものだけにするか」の考え方ですね。
DaiGoさんも本の中で言っていますが、「いらないものを捨てる」のではなく「本当に必要なものだけをもつ」という考え方。

モノや情報など、身の回りがとにかく何かであふれている現代では、大切にすべき姿勢・考え方だと思いました。

しまう収納から飾る収納へ

収納のとらえ方もものすごく参考になりました。

収納は、「しまう収納」ではなく、「飾る収納」を目指すべきなのだとこの本は主張します。

では「飾る収納」とは具体的に何なのか?身近な例としては、「ホテルの部屋をイメージするといいでしょう」とのこと。

「ホテルの部屋では、基本的にしまってあるモノはありません。タオルやバスローブ、洗面所のアメニティ、各種備品がすべて使いやすいように並べてあります。だからといって、モノが散らかっているわけではありません。完璧にきれいに管理されています。あれが飾る収納です。」

確かに~って感じですよね。「しまう場所はほとんどないが、でも散らかっていない=余計なものはおいていない」ってことなのですね。

考えてみれば、ホテルの部屋が理路整然としているのは、管理コストという面から考えたら当たり前ですよね。だって「部屋の片づけ」に時間がかかっていたら、それだけ人件費がかさむことになります。

とすれば、利益を最大化をするためには、「以下に片づけないか(=人件費を減らすか)」に重きを置いた部屋にする必要があります。

この考え方・部屋づくりのメソッドを自分の部屋に活かすことで、余計なことにかかる時間を減らすことができるというわけですね。

素直に、感心しました。

収納スペースから片づける

「収納スペースがたくさんあるということは、モノをたくさんしまえるということです。つまり、収納器具にはモノをため込んで増やす機能がある、ということになります。だとすると、部屋を片づけるためには、まずは収納を減らしてしまえばいい、と考えられます。片づけの第一歩は「収納器具の片づけ」から、というわけです。」

この発想はなかったです。まず、収納スペースから片づけるのが、散らからない部屋づくりのコツなのだとか。自分の部屋を見渡してみると、収納スペース・収納家具が異様に多かったです。そして、多くは紛れもなくいらないもの・使わないもの入れになっていました。

収納家具捨てょ。。。

おわりに

『人生を思い通りに操る 片づけの心理法則』は、片づけに悩んでいる人は一読の価値ありだと思います。

今回は紹介できませんでしたが、本書では、「物理的なものの片づけのメソッド」だけではなく「スケジュール・時間の片づけのメソッド」も紹介されています。

DaiGoさんが本書で語る片づけの考え方の本質は、「時間もモノも情報もすべて自分に必要なものだけで生きていく」ということです。

片づけ本は、モノをため込んでしまうというのが大きな悩み」であるため、モノを捨てるためにどうしたらよいかという点に、視点が行きがちです。もちろん、本書でも、いかにモノを減らし、捨てるかということは語られるのですが、「断捨離をして何も持たないことが最強!」とは決して言っていません。

時間もモノも情報もすべて自分に必要なものだけで生きていく。

そのために、片づけをするというのがこの本のエッセンスです。この考え方に共感できる人は、本書を読んで後悔することはないでしょう。

「片づけ」の本質をとらえたうえで、片づけのメソッドを知りたい人におすすめできる1冊です。