【感想】『100円のコーラを1000円で売る方法』

私の読書リスト

今回読んだのは『100円のコーラを1000円で売る方法』↓

2020年1月現在、Kindle Unlimitedで読めます。

Kindle Unlimitedを契約していなくても、ベストセラーで文庫化しているため600円くらいで買えます。

タイトルが秀逸ですよね。

『100円のコーラを1000円で売る方法』というタイトルを見たとき、「えっ?どうやって?」って引き込まれてしまいました。悔しい。

内容の方も、タイトル負けしてはおりません。

タイトルの通り100円のコーラを1000円で売るために必要なマーケティングの知識がたくさん書かれております。

小説仕立てで、難しい専門用語は使われていないので、マーケティングのマの字も知らない人も楽しく読める作りです。

中高生くらいの課題図書にしてもよいのではないかと思います。

以下、この本の中で印象に残ったところをまとめます。

「顧客絶対主義」の罠

 

(もしかしてお前、:私の注)まだお客さんが答えを教えてくれるという幻想を持っているんじゃありませんか? 

戸愚呂弟?

 

 

「お客様の声に耳を傾け、お客様の要望を第一に考えて作れば、ヒット商品が作れる」

あなたはこう聞いてどう思いますか?

私は「えっ?そうなんじゃないの?」と思っていましたが、マーケティングの世界ではどうやら違うようです。

それはいったいなぜなのでしょうか?

 

お客さんの言いなりになることを、最近、マーケティングの世界では〝 カスタマー・マイオピア〟と呼んでいます。

(中略)

「カスタマー・マイオピアは、価格戦略にかぎったことではありませんけどね。要は、目の前のお客さんが言っていることだけを鵜吞みにして、それにすべてに対応しようとしてしまって、本当にお客さんが必要としていることに対応できておらず、長期的に見るとお客さんが離れていってしまう状態のことです。

(※登場人物のセリフのため、会話調です。マーカーは私がひきました)

「顧客が本当に求めていること=本当に価値のあること」とは限らないということですね。

顧客は全知全能の神ではないので、当然間違っている場合もあるわけです。

そのため、顧客の要望も、本当に正しいのか? その要望に応えることで、顧客の本当の課題が解決できるのか? ということまで、考える必要があります。

 

確かに! って思いました。

 

お客さんが教えてくれるのはヒントだけです。だからお客さんの話を聞くことは大切ですが、お客さんの言うとおりにしていればいい、という単純な話ではありません。

弊社には、口を開けば「顧客第一」という顧客第一おじさんがおります。ともに働いているうちに、私も顧客第一の刷り込みをなされるところでした。

刷り込み完了の前に、カスタマー・マイオピアという概念をしれて良かったです。

顧客第一おじさんには今度、「カスタマー・マイオピアさんおはようございます」と挨拶して、さりげなく気づかせてあげたいです。

間違ったことを教えんじゃねぇよ。知識をアップデートしてクレメンス。

話がそれましたが、まとめると、

  • カスタマー・マイオピア=顧客の言いなりになること
  • 顧客が教えてくれるのはあくまでヒントであり答えではない
  • 顧客からのヒントをもとに、顧客が抱える本当の課題を解決できるものを考える

ということですね。

バリュープロポジション

上記に関連して重要なのがこのバリュープロポジション。

バリュープロポジション。〝顧客が望んでいて〟〝競合他社が提供できない〟〝自社が提供できる〟価値のこと

(中略)

このバリュープロポジションの出発点は顧客です。ただし、顧客の言うことを全部受け入れればいいわけではありません。むしろ、顧客本人も気づいていないような価値を見つけられるかどうか、です。顧客が何に価値を感じるか、まずは自分の頭で徹底的に考えることです。大切なのは顧客のニーズを徹底的に絞り込むこと、そして他社と同じことはやらないことです。よく考えたうえで、実は顧客が必要としていないと思うなら、他社がやっていることは切り捨ててもいいくらいです。

これ会社で言われたことあるある~(顧客第一おじさんに、ではない)。バリュープロポジションっていうんですね。

でも、うちの会社って、ものすごく「顧客の本当のニーズ」を重視しているけど、全然儲かっていないのはなんででしょう??

重視しているだけで、実は顧客の本当のニーズをつかみきれていないのかな??

競合他社に圧倒的に、やられているのですが…。汗

謎は深まります。

肝心の、「100円のコーラを1000円で売る方法」

タイトルにもなっている、100円のコーラを1000円で売る方法。本書はこちらについても、もちろん書かれています。

ディスカウントストアで売っているのは、コーラという液体そのものです。同じような商品を他でも売っているので、お客さんは値引きを求めてきます。だから徹底的にコスト削減を図る。これが〝 プロダクトセリング〟です。

一方、リッツカールトンが売っているのは、心地よい環境で最高に美味しいコーラを飲めるという体験です。この体験は他では得られませんから、顧客は値引きを要求しません。そのため、コスト削減や規模の大きさは必要ありませんが、とことんまでサービス向上を図ります。これが〝 バリューセリング〟です

(中略)

どちらがよい、悪いということではなく、あくまでケース・バイ・ケースです。

プロダクトセリングからバリューセリングへ。

これが、100円のコーラを1000円で売る方法です。

100円の商品であっても、そこでしかできない体験等付加価値をつけることで、1000円で売ることができる。

言われてみればだろうなって感じですね。

でも、100円のコーラを1000円で売る方法がわかってすっきりしました。

おわりに

全体を通して、なるほど!という感想しかでてこなかったのですが、一つ疑問がわきました。

それは、弊社はこの本に書かれていることを口酸っぱく実践している(はず)なのに、なぜか競合他社に勝てていないこと。

言うは易く行うは難し

なのでしょうか。

この先、考えていきたい疑問です。

 

マーケティングについて、楽しくわかりやすく学びたい方にお勧めの1冊でした。