『転職と副業のかけ算』を読んでみた【「真の安定」を目指すなら読んで損なし】
令和の時代において、安定して金を稼げるようになりたい人必読!!
今回読んだ本:『転職と副業のかけ算』
書籍の基本情報
●著者 : moto(戸塚 俊介)
1987年長野県佐久市生まれ。長野県短期大学を卒業後、地方ホームセンターやリクルート、SMSなど複数社に在籍。2021年4月に副業である転職メディアを上場企業へM&A。現在は代表取締役を務めながら、各種SNSを通じて転職や副業、キャリアに関する知見を発信し、「ForbesJapan」や「日本経済新聞」、「東洋経済オンライン」など、数多くのメディアに取り上げられている。
(扶桑社公式HPより https://www.fusosha.co.jp/Books/search_list/?author_id=2975)
●判型 : 四六判
●ページ数 : 240頁
●定価 : 1540円(10%税込)
●発行日 : 2019年8月
この本のメインテーマ
この本は一言でいうと、
令和の時代に、
転職と副業を駆使して、
生涯年収を最大化するために必要なマインドとノウハウ
が書いてある本です。
著者のmotoさんは、地方の短大卒で、
20歳:ホームセンター勤務 年収240万円
↓
22歳:人材企業 年収330万円
↓
23歳:リクルート 年収540万円
↓
27歳:ITベンチャー 年収700万円 + 副業年収200万円
↓
30歳:広告ベンチャー 年収1000万 + 副業年収4000万円
と、転職と副業を組み合わせて、年収をあげてきた方。
『転職と副業のかけ算』では、motoさんのこうした経験をもとに、
●年収を上げる転職の方法
●副業で稼ぐ方法
が紹介されています。
この本が同じジャンルの他の本と違う部分
この本が、他の転職・副業系の本と違う部分は、
●「転職」と「副業」をうまく組み合わせて、生涯年収をあげる方法が書かれている点
です。
一般的に、副業で稼ぐ系の本だと、
「本業はテキトーに終わらせて、副業に費やす時間を増やそう!!!」
的な話が多いかと思います。
しかし、『転職と副業のかけ算』は、
「本業では、しっかりスキルを磨き、成果を上げよう」
「そして、本業での知見・スキルを、副業で活かして稼ごう」
というスタンスです。
motoさんが具体的にどうやったかという方法は以下のとおりです。↓
①4回も転職した経験をもとに、転職アンテナというブログを運営(収益4000万)
②営業のノウハウ・スキルをnoteで販売
タイトルが、
転職と副業の かけ算
となっている理由がすべてここにつまっています。
「本業」と「副業」で、別々で稼ぐのではなく、それぞれで得た知見・ノウハウを、お互いに活かし合うことで生涯年収を最大化していく
というのがこの本のユニークなポイントです。
一番おもしろかった部分
①「市場価値」とは何かについてのお話
読んでいて面白かったのは、
「市場価値」の高い人間とはどんな能力をもった人間か
を定義した部分です。
転職において、市場価値を高めようという意見自体は、真新しいものではありません。
しかし、個人的に、
市場価値が高い人間ってどんな人間のこと?
という疑問があり、いまいち具体的にイメージができない部分も多くありました。
でも、motoさんは、単に「市場価値をたかめましょう」と主張するのではなく、
●市場価値の高い人間の定義
●市場価値の高い人間になるためにやるべきこと
まで踏み込んで書いています。
以下一部引用します。↓
【市場価値(=生産性)を高める5つの力】
『転職と副業のかけ算』より
① 論理的な思考ができる力
② 構造的に物事を捉える力
③ 物事を俯瞰したうえで、課題を特定する力
④ 課題に対して仮説を立て、誰にでもわかりやすく話せる力
⑤ ①〜④を用いて組織をマネジメントする力
この5つの力は、
営業・事務・編集などの「職種」を問わず、ビジネスパーソン全般に求められる力
である
と、motoさんは考えています。
すごく腑に落ちる定義だと思いました。
②「サラリーマンは社畜なのか?」という事に対するmotoさんの考え
世間一般では、「サラリーマン=社畜」という認識を持っている方も多くいると思います。
しかし、motoさんは、「サラリーマン=社畜」とは考えていません。
個人的には、サラリーマンという形態が社畜なのではなく、働く上でのスタンスが問題なのだと思っています。
『転職と副業のかけ算』より
いつまでも会社に依存している人は、社畜かもしれませんが、会社に依存せず、副業や社外活動を通じて活躍しているサラリーマンは社畜ではありません。
逆に、フリーランスになっても、クライアントの言いなりになった仕事をしているようでは、社畜と変わりません。
働く形態を問題視するのではなく、自分がどう働くかを議論の的に捉えるべきです。
つまり、
・仕事を選べない
・いまの会社をやめられない
・会社がないと生きていけない
といった「会社に依存している状態のサラリーマン」が「社畜」なのであって、
・仕事を選ぶことができる
・いまの会社をやめても、転職できるだけの市場価値がある
・会社がなくとも、別の稼ぐ手段がある
というような、「会社がなくとも生きていける状態のサラリーマン」は社畜ではない
という考え。
この視点、個人的には、目からうろこでした。いわれてみれば、たしかにそうだなと。
「会社に自分の時間を提供することでしか、生きていく術がない状態」は、本当に「家畜」と変わらないなと。「家畜」は、檻の外にでたら、餌をとる手段も何も知らないので、すぐに死んでしまいます。「社畜」も、今の会社をやめたら、お金を稼ぐことができないので、(生活保護などがあるので死にはしませんが)人並みの生活を送れなくなります。
でも、「家畜」も「社畜」も、外の世界で生きていける術を身につけていければ、少しずつ「自由」になれます。
「自由」を実現できる状態で、
いまの環境・会社を利用する状態は決して「社畜」ではない
という考え、私も大切にしていきたいです。
この本で最も重要だと思った部分
この本で、一番重要なのは、
第2章 地方ホームセンターやリクルートで学んだ「成果」に繋がる働き方
だと思います。
なぜなら、
生涯年収を最大化するためにやること
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転職で年収をあげる
副業で金を稼ぐ
を達成するためには、
現職で、「成果」をあげる
現職で、スキルを身につける
ことが、
大大大前提
だからです。
motoさんは、4つの会社で、
学歴なし
スキルなし
経験なし
の状態から、
どのように「成果」をあげてきたのかについて、書かれています。
以下簡単にmotoさんがとった成果をあげるためにとった行動を要約します。
【1】20歳:ホームセンター勤務 年収240万円
→自分を成長させる機会をとりにいく
→未経験でも、挑戦する
※一番NGなのは、何をしても同じ給料なら働かないほうがましという考えでいること
【2】22歳:人材企業 年収330万円
→できる人を徹底的にマネして、自分のスキルに落とし込む
→他人の知見・経験を自分の血肉しにして成果につなげる
【3】23歳:リクルート 年収540万円
→企業を成長させるというスタンスをもつ
※スキルをみにつけたいという自分本位だけではNG。
【4】27歳:ITベンチャー 年収700万円 + 副業年収200万円
→有名企業の看板をもたない状態でも、成果をだす方法を考え行動にうつす
読みやすさの評価
中高生でも読めるくらい、わかりやすく書かれています。
1章毎の文量も短めで、こまめに小見出しが入るので、本が苦手な人でも読みやすいです。
目次
序章:「個人で稼ぐ」サラリーマンが本当の安定を手に入れる時代
→(結論)令和における本当の安定=会社に依存しないで、稼げる人間になること
そのためには、
①どの会社でも活躍できるよう「市場価値」を高める
②本業以外の、副業で稼ぐ
が有効。
第1章:年収240万円の地方ホームセンターを選んだ理由
→motoさんの生い立ち紹介
どういう考えで、地方ホームセンターに就職したのか
第2章:地方ホームセンターやリクルートで学んだ「成果」に繋がる働き方
→4回の転職で、成果を上げるためにやるべきノウハウ
第3章:4度の転職で年収を上げ続けた「転職術」
→年収をあげるための転職をする方法
転職エージェントの活用方法
職務経歴書の書き方
面接術
転職後に持つべき大切な視点 など
第4章:本業を活かして稼ぐ「サラリーマンの副業」
→知名度ゼロから、どうやってフォロワーを増やしてきたか
第5章:生涯年収を最大化する生き方
→(まとめ)生涯年収を最大化するには、サラリーマンはやめないほうがいい
サラリーマン=社畜なのではなく、
働く上でのスタンスの問題(会社に依存せず、本業・副業で活躍しているサラリーマンは社畜ではない)
書かれている内容まとめ
①motoさんのキャリアと人生
②現職で成果をあげる方法
③現職で成果をあげたあとに、転職で年収を上げる方法
④年収をあげる転職活動のやり方
⑤現職での成果を副業でいかす方法
が書かれています。
「働く」という活動全般において、どうやって成果をあげるためのマインドやノウハウが広く書かれている感じです。
この本を読んでも後悔しない人
●現職で成果を上げる方法を知りたい人
●年収をあげる転職をしたい人
●市場価値の高い人間になりたい人
に該当する方は、読んでも後悔しないと思います!
※逆に、「楽して金を稼ぐ方法が知りたい」という人は、読まないほうがいです。
この本では、「本業も副業も一定の行動をして、成果を出していくこと」が求められるからです。
ただ、「成果」を上げるためには、どう働いたらいいのか・どう副業したらいいのかとったマインドやノウハウは満載なので、そうした情報を知りたい方には、おすすめです!
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